ドキドキの読み聞かせでした!
もっと見るドキドキの読み聞かせでした!
去る5月20日。色とりどりの艶やかなバラの花々たちと良い香りに包まれたお城のような赤坂クラシックハウスで、第57回講談社絵本賞の贈呈式が行われました。
その贈呈式で、なんとおはなし隊隊長が受賞作絵本の読みきかせをさせていただくことになったのです!
贈呈式当日は、リハーサルのために少し早く会場入りをしました。モニターと読み聞かせの合わせをチェックしたり絵本編集部のご助言をいただいたりして、あとは本番を待つばかり。贈呈式会場内は受賞絵本のイメージに合わせ、オレンジベースのやわらかな色合いの花束で飾られていてとっても素敵。こんなすばらしい場所で読み聞かせができるなんてワクワクします。
そして開場。講談社の皆様、他出版社の方々、マスコミの方々……人が多くなるにつれ、だんだん緊張してくる私。会場のすみっこでこそこそとストレッチをしたり、のど飴を舐めたり腹式呼吸をしたりして、喉と心臓を落ち着かせます。
まもなくセレモニーが始まりました。講談社・野間社長からの賞贈呈、松成真理子氏による選評、受賞絵本の作者の森洋子先生のご挨拶が終わり、いよいよおはなし隊の出番です。
会場が暗くなり、プロジェクターに絵本『ある星の汽車』の表紙が映し出されました。まるで英国貴族のような鳥の紳士の思慮深そうな瞳を確認してから、ゆっくりと表紙をめくり、読み聞かせを始めました。
最初に描かれているのは、温かなセピアの色彩で描かれた広い大地を走るレトロな汽車です。乗っているのは少年と父親。少年が車内を見まわすと、そこには個性豊かな衣装を着たたくさんの動物たちがいます。大きな獣や鳥たちは、おちついた紳士だったり、やさしいお姉さんだったり、ユーモラスでおしゃべりだったり。爬虫類もいます。綺麗なお花もあります。やがて汽車はとある駅に到着します。その駅で降りて行くのは、表紙に描かれた鳥の紳士です。
いったいこの動物たちは何者なのか? いったいこの汽車はどこにいくのか?
読み進んでいくと、その答えがわかって胸をざわつかせます。なんて深く厳しいテーマでしょう。けれどもけっして重すぎないのは、そこに一筋の光があるから────。
このような深いテーマを持つ絵本の読み聞かせでとくに気を付けるのは、あまり感情を込めないようにすることです。今回のように、大人相手に読むような特殊なシチュエーションの場合でも、内容の重さに引きずられた具体的なイメージを押し付けてしまうことのないよう、あくまで絵本は子どもの好奇心に寄り添う目線をたいせつに、声のトーンや調子を明るめに穏やかに整えて読むように心がけています。
そしてラストシーンは「希望」の余韻を残すようにやや長めに汽笛を読み上げ、ゆっくりとページを閉じました。
すると来場者の皆様のたくさんの拍手が! そしてなにより作者の森洋子先生の満面の笑みと拍手が私の目に飛び込んできて、安堵と幸せで胸がいっぱいになりました。おはなし隊・隊長任務完了です!
私はこの絵本を初めて読んだ時、汽車で一緒に旅した動物たちのことをもっともっと知りたくなりました。そしてネットや図鑑で検索しました。すると知らなかった事実もいろいろと知ることができて、さらにこの絵本の奥深さに感動しました。
このすばらしい絵本をぜひ全国の子どもたちにも読んでもらいたい! ということで、絵本『ある星の汽車』はキャラバンカーにのっています。全国訪問おはなし隊のキャラバンカーで、この不思議な汽車の旅を一緒に楽しんでくださいね!

