【前編】熱気に包まれたおはなし会と「絵本の卵」
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全国訪問おはなし隊の隊長です。
2013年に「日本一の読書のまち宣言」を議決した三郷市が主催する「みさと絵本サーキット2025」。多くの絵本作家や出版社も参加する、読書のまちの一大イベントです。
今年は11月1日、2日の2日間にわたって開催され、私たちおはなし隊も参加させていただきました。
朝まで降っていた雨もすっかり上がり、気持ちよい秋晴の日となったイベント初日の11月1日。
芝生広場では、キャラバンカーの緑号と『もったいないばあさん』の大きなパネルが、皆様をお出迎えしました。
おはなし会を行った、におどりプラザの会場には、赤ちゃんから大人まで本当に多くの方が集まってくださいました。
敷かれた青いシートの上は、私たちの読み聞かせを真剣な目で見つめる子どもたちと、それをお父さんお母さんたちが温かく見守る、素晴らしい熱気でいっぱいです。
その熱気に、私たちも期待を込めておはなし会をスタートさせました。
『りんごが コロコロコロリンコ』では「コロコロ!」と声が響き、『おとなりさん』では「わかった!」と次のページを予想してくれました。
『どんぐりず』では、読み手の「ずこーっ!」の声に合わせて、多くの子どもたちが体を傾けて真似をしてくれ、会場が温かい笑い声に包まれました。
続く渡邉達夫隊長の『ゴリラさんは』では、「さる!」「ワオキツネザル!」と、子どもたちが絵本の中の動物たちに元気に反応してくれ、会場がさらに一体となっていきます。
『かけっこ かけっこ』ではライオンの登場に会場がしんと静まりかえり、『いもむしずんずん』では不思議な展開に「わぁ〜!」と驚きの声が上がる。皆様がおはなしの世界に深く入り込んでいく様子が伝わってきました。
そしてこの日、私たちは特別な一冊『まねてみよう』を持参していました。まだ絵本になる前の、いわば「絵本の卵」です。
会場の皆様と一緒に“まねてみよう“ということで、緊張の初お披露目となりました。
実はこのお披露目、作者の青物横丁さんと担当編集さんも会場に同席されており、子どもたちの反応を緊張した面持ちで見守っていらっしゃいました。
表紙を見た瞬間、会場からは「えー!?」と驚きの声。
顔の絵が出てくるたびに、子どもたちは舌を出して「べー」としたり、頬を膨らませて「プー」としたり、手でぶたさんのお鼻を作ったり。
はじめは恥ずかしそうにしていた子も、ページが進むうちに夢中になってくれました。
お父さんお母さんもお子さんと一緒に顔真似をして、お互いの顔を見合わせて屈託なく笑い合う様子は、まるで会場全体が大きな『まねてみよう』の絵本になったかのようでした。
作者の青物横丁さんたちにも、子どもたちが夢中になって楽しむ様子を直接ご覧いただくことができ、私たちも大変嬉しく思いました。
青物横丁さんには、イベント終了後に、キャラバンカーにサインを入れていただきました。どこにあるかキャラバンカーの緑号を見かけたら探してみてくださいね。
さて、この日のおはなし会には、とても頼もしい助っ人が参加してくれていたのです。
その様子は、後編でお届けします。
(後編へつづく)
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